みなさまへ
2021年3月11日、東日本大震災・津波の発生から10年の節目を迎えました。当時10歳だった子どもたちは成人式を迎え、高校生たちは、社会人になりました。10年間という年月は、皆さまお一人おひとりにとって個別であり、特別であり、そして長く複雑な道のりだったに違いありません。皆様にとってはどんな10年間でしたか?
時間の経過の中で、まちの復興(ハード面)は一応完了したとされ、住民の状況も変わってきました。今でも大震災という深い闇から抜け出せず、苦しみや悲しみから解放されない方が多い中にあって、一方では「わたしは被災という経験をしたひとりなんだ」と話される方も増えてきました。彼らの前向きな姿に、そして、あれだけの困難な経験をしたけれど、「今、わたしは生きている!」という凛とした姿に、「新しい創造」を想起させられるところがありました。被災地に生きるお一人おひとりが、それぞれ前に向かって歩んでいるのです。
カリタス釜石は、これまでの活動を振り返り、時間とともに変遷してきた被災地に沿った新しい形での復興支援に舵をきって進んでいきたいと思います。
地元に愛されるフリースペース「ふぃりあ」は、この地域に無くてはならないほど大切な存在となりました。被災・非被災の壁を超えて、また地域と地域の壁をも超えて、人と人とのつながりを紡ぎだし、育んでいます。
被災地釜石で生まれ、多くの皆様に育てられ成長してきたフリースペース「ふぃりあ」は、これからも様々な形で地域に貢献する使命があるように確信しています。
カリタス釜石が近い将来、目に見える形で存在していなくても、これまでのつながりがなくなることはありません。
何かが終わるのではなく、新しい形で、「わたしとあなた」という二人称で日々の生活を歩んでいく限り、どこに居ても、どんな環境であっても私たちは「つながり続ける」ことが可能だと考えています。
カリタス釜石の活動は
震災直後、教会からボランティア活動が始まりました…
カリタス釜石の活動は、カトリック釜石教会と遠野教会の有志による緊急人道支援から始まりました。この活動は誰かの指示や勧告を受けたわけではなく、自らが自分の意志によって始めました。
まさに、ボランティアでした。
震災後の3月15日、遠野教会より信徒のボランティアが食材を持参し、釜石教会のボランティアとともに炊き出しをしました。2日後の3月17日、18日、その後も引き続き数回の炊き出しを実施し、メニューは「豚汁」「おむすび」「牛乳」「ヨーグルトなどの乳製品」などです。当時は牛乳など決して手に入らない貴重品に長い列ができていました。
その後ライフラインの回復を待つ間、遠野市の葬儀社や飲食店の協力を得て、花巻市の東和温泉へのバスツアーを企画しました。その名も「こころもからだもあったかツアー」。当時は入浴環境が無かったため、避難所や近隣の方々はこぞって温泉ツアーに参加していました。東和温泉で心と体を暖めた後、遠野市内でラーメンなどを提供していただき、お腹も満たされて帰ってくるというツアーでした。全7回実施され、参加者は全て無料です。これは多くの支援者によって実現したものでした。
2011年4月、仙台教区サポートセンターが、カリタス釜石ベースを設置
そんな最中、2011年4月2日に仙台教区サポートセンターにより、カトリック釜石教会の中に被災地救援活動の拠点となる「カリタス釜石ベース」が設置されました。仙台教区サポートセンターは、東日本大震災被災地域の復興支援活動のため、カリタスジャパンのサポートのもと仙台司教区が立ち上げ、塩釜、石巻、米川にもベースを設置しました。その後、福島県にもベースを設置し、活動を続けています。(塩釜ベースは閉鎖し、地元の方が受け継ぎ活動されています。)
2013年3月、カリタス釜石ベースはNPO法人化へ
これまで、カリタス釜石ベースは任意団体として、極めて限定的な意思決定プロセスの中で活動してきました。
そこで、恒久的に釜石の街づくりに寄与するために、法人格を有することで、地域の方と共に歩んでいく市民活動団体の道を選択することを決定しました。
そして、2013年3月、カリタス釜石ベースは特定非営利活動法人 カリタス釜石となりました。
団体概要
理事長 | 伊瀬 聖子 | 元カリタス釜石副理事長 |
副理事長 | 堀江 節郎 | イエズス会司祭 |
理事 | 道又 譲 | カトリック釜石教会信徒会長 |
理事 | 英 隆一朗 | イエズス会司祭 |
監事 | 吉田 俊雄 | 生と死を考える会 全国協議会監事 |
監事 | 坂川 健 | 会社役員 |
顧問 | 昆 税理士法人 | |
顧問 | 社会保険労務士法人 見世事務所 |
法人設立日
2013年3月19日
法人認証日
2013年3月7日
定款に記載された目的
東日本大震災によって釜石に生まれたこの法人は、キリスト教的愛の精神に基づき、一人ひとりが尊重される新しいまちづくりに貢献することをその目的とし、災害時における人道支援、弱い立場に置かれた人々の人権擁護、市民活動支援の事業を行う。
事業
「被災地復興支援」
- お茶っこサロンの運営(主に釜石市内の仮設住宅、復興住宅)
- フリースペースふぃりあの運営
- 個宅見守り活動(つながり見守り活動)
「市民活動サポート」
- 今年度の事業予定はありません
「女性サポート」
- 今年度の事業予定はありません
定款
カリタス釜石 定款 改定3 令和3年5月26日
閲覧書類等
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※事業報告書の欄に、活動計算書等が一括して掲載されている場合があります。
2021年度事業報告書等(PDF形式)
2020年度事業報告書等(PDF形式)
2019年度事業報告書等(PDF形式)
2018年度事業報告書等(PDF形式)
2017年度事業報告書等(PDF形式)
定款等
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